アシスタントのミカコ「あのー、先生。」
行政書士の濱西「はい、なんでしょう。」
ミカコ「知り合いから相談されたんですけど、いいですか?」
濱西「ミカコちゃんって、僕より相談受けてるよね?実は営業上手なの?」
ミカコ「うーん、そんなことはないと思うんですけど。あえて言うなら人徳(☆。☆) キラーン!!」
濱西「あー、はいはい、そうですね。」
ミカコ「なんです、そのやる気のない返事は。ところで、近所の人に聞かれたんですけど、最近ご主人さんをなくされて、相続の話し合いをしたいそうなんです。」
濱西「遺産分割協議ですね。これは相続人全員で話し合わないとダメですよ。」
ミカコ「そう、そこなんです。息子さんが一人、どこにいるか分からないらしいんです。こんな時ってどうすればいいんですか?」
濱西「この場合、失踪宣告の話と不在者財産管理人の話があるんだけど、どっちが聞きたい?」
ミカコ「どっちも聞きたくありません。漢字の多い話は、眠くなってしまいますからぁ。楽しい話が聞きたいです。」
濱西「相続で楽しい話なんてないと思うよ。じゃあ、まずは失踪宣告の話から。」
ミカコ「ファァ (*´0)ゞoOそれではどうぞ。」
濱西「全然聞く気がないね。失踪宣告だけど、生死が7年間明らかでないときを普通失踪といい、戦争、震災などの危難に遭い、それが去った後、生死が1年間明らかでないときを特別失踪といいます。その後家庭裁判所より失踪宣告を得て、法律上死亡したものとみなすことができます。」
ミカコ「こんなに長いと、誰も読みませんよ。」
濱西「だいぶ短く説明したんだけどね。で、不在者管理人は、行方のわからない息子さんのために、家庭裁判所が選ぶ、代理人のことです。」
ミカコ「こっちは短い。やれば出来るじゃないですか。」
濱西「お褒めの言葉、ありがとう。それで、失踪宣告があった場合は、行方不明の相続人を遺産分割協議に参加させる必要がなくなります。」
ミカコ「亡くなったと決められた人に、相続権は無いということですね。」
濱西「その通り。逆に、不在者管理人を決めた場合は、その人に遺産分割協議に参加してもらう必要があります。」
ミカコ「代理人なので、行方不明者の権利をその人が守るってことですね。」
濱西「そうです。」
ミカコ「でも、行方不明者が実は生きてると分かったら、どうしたらいいんですか?」
濱西「珍しく、いい質問。後から生きていたとわかった時、失踪宣告の取り消しを受けることで、相続権は復活します。そして、行方不明者が生きていたことを知らない場合、財産を得た人(相続人など)は、失踪宣告の取消しで財産を失う場合でも、その利益が残っている限度で失踪者に返還すればよいとされます。」
ミカコ「Zzz(=ω=*)」
濱西「 行方不明者が生きていたことを知っていた場合、遺産分割は無効になり、遺産を全部返還した上で、協議のやり直しとなります。 」
ミカコ「長々と読んでくださった皆様、ありがとうございました。」