行政書士の濱西「ビッグニュースだ。」
アシスタントのミカコ「えっ、何かあったんですか?」
濱西「しまなみ海道の自転車料金が無料になるらしい。」
ミカコ「それって全然ビッグじゃないし。先生が嬉しいだけでしょ。」
濱西「これで月に一回、尾道まで往復できるね(゚∇^d) グッ!!」
ミカコ「そんなことするの先生だけです。8時間自転車に乗りっぱなしなんて、何が楽しいのか、あたしにはサッパリわかりません。」
濱西「いい運動になるよ。それに、しまなみ海道は、タンデム車のレンタルもあるから、二人で行っても楽しめるしね。」
ミカコ「あー、確かにあれは楽しそう。」
濱西「というわけで、今日はタンデムにちなんだ話をします。それではミカコちゃんに質問。夫婦共同の遺言書って作れると思う?」
ミカコ「遺言を書いて、最後に二人で署名するってことですよね。うーん、出来るんじゃないですか。」
濱西「ハズレ。同一書面に、二人以上の人が遺言を書く事を共同遺言と言いますが、日本では禁止されています。」
ミカコ「そうなんだ。なんで禁止なんですか?」
濱西「何個か理由がありますね。」
① 遺言は、他人の意思に左右されることなく、遺言者が自由に撤回できるべきものである。しかし共同遺言は、各自の遺言の自由や遺言撤回の自由が制約されてしまう。
② 遺言は法律で書き方などを決められているが、、共同遺言者の一方の遺言に方式の違反があって無効となるような場合、他方の遺言は有効なのかどうかについて問題が生じる。
③ 共同遺言者による遺言がそれぞれの遺言を条件としているようなケースにおいて、一方の遺言者が条件に反したとき、他方の遺言がどうなるのかという問題が生じる。
濱西「このような理由から、禁止されてます。」
ミカコ「確かにねー、奥さんに遺言内容見られてたら、書きたいことも書けないですもんね。他人への贈与とか書いちゃった日には(-L-)ククク」
濱西「ブラックな妄想中すみません。例えば、別々に遺言を書いて、同じ封筒に入れておくのは有効とされています。」
ミカコ「違いがわかりません。」
濱西「さらに、試験でよく聞かれるのですが、同一書面に書かれていても、それぞれが独立した遺言として切り離せる場合も有効とされています。」
ミカコ「もっと違いがわかりません。」
濱西「まあ、法律上有効ではあるけど、混乱する元なので、別々に書いて、別々に封をしておいた方がいいでしょう。」
ミカコ「自転車は一緒に乗れるけど、遺言書は別々の方がいいってことですね。」
濱西「そういうことです。しまなみ無料化、早ければ今年の8月頃からなんだって。無料になったら行ってみる?」
ミカコ「絶対イヤです。なんで真夏の暑い日に、自転車に乗らないといけないんですか。しかも後ろから漕ぎ方が悪いとか、文句が聞こえてくるんでしょ。お断りです。」