アシスタントのミカコ「オリンピック始まりましたね。」
行政書士の濱西「テレビでしてると、なんとなく見てしまうね。」
ミカコ「4年に一度ということで、そこに向けて全力を出す力が美しい。特に女子選手は応援しちゃいます。」
濱西「そうだね、一発勝負に賭ける美しさってのは、確かにあるよね。」
ミカコ「でしょ、だからあたし寝不足で。この先、オリンピックが終わるまであたしの体が大丈夫か心配です。」
濱西「だからと言って、仕事中に寝ないようにね。既に午前中、何度かウトウトしてたみたい。」
ミカコ「(゚o゚;;ギク!まあそれは置いといて(汗)、さっき言ってた、一発勝負ってことですけど、遺言も一回書いたら書き直せないものなんですか?」
濱西「うまく逃げたね。遺言は理由を問わず、自由に撤回することができます。」
ミカコ「息子の態度が気に入らないから、やっぱりあげないっていう理由でもいいってこと?」
濱西「気が変わったからとか、個人的な理由でも全然OKです。」
ミカコ「へぇ、そうなんだぁ。遺言を撤回する書類とか必要なんですか?」
濱西「新しく遺言を作成し、その中で前回のものを撤回すると書いてもいいし、撤回することを書かなくても、内容の矛盾する遺言が二通以上あれば、日付の新しい方がい付の古い遺言を撤回したものとして扱われます。」
ミカコ「あぁ、だから日付って重要なんですね。」
濱西「そういうことです。平成25年2月吉日だと、いつかわからないので遺言は無効になります。きちんと日付を書いてください。」
ミカコ「他にありますか?」
濱西「その他だと、遺言内容と違うことを行った場合、その部分の遺言は撤回されたと扱われます。」
ミカコ「例えば?」
濱西「長男に土地をあげると言ってたのに、次男の名義にしてしまったという場合です。」
ミカコ「それはひどい。長男がっかりじゃないですか。」
濱西「あとは、撤回するときは、遺言の方式は問いません。」
ミカコ「どういうことですか?」
濱西「例えば、公正証書遺言を、後から書いた自筆証書遺言で撤回することも可能です。」
ミカコ「公証役場に掛かったお金がもったいなかったねということですか、なるほどねぇ。」
濱西「一生に一度しか遺言書は書けないというのなら、全身全霊をかけないといけませんが、遺言はそういうものではありませんので、気楽に書いてもらっていいと思います。」
ミカコ「それじゃ、あたしは夜の放送に向けて一休み。」