行政書士の濱西「今日は簡単な話にしましょうね。」
アシスタントのミカコ「絶対ですよ。昨日みたいな長い話はもう嫌です。」
濱西「話の流れで、どうしても長くなる時はあるけど、今日は大丈夫。」
ミカコ「じゃあ、先生の言葉を信じて。今日はどんな話なんですか?」
濱西「ミカコちゃんは、家族が亡くなった後、封がされた遺言書を見つけたらどうする?」
ミカコ「もちろん中身を確認します。」
濱西「はい、アウトー。あなたには5万円以下の過料が課せられます。」
ミカコ「えぇ、どういうことですか?あたし犯罪者になるってこと??」
濱西「犯罪者にはならないよ。」
ミカコ「ならよかった。次からは見なかったことにします。」
濱西「いや、それも良くないんだけどね。もしあなたが遺言書を発見したなら、それが自筆証書遺言、あるいは秘密証書遺言の場合、家庭裁判所に提出して、検認を受けなければなりません。」
ミカコ「前にそんな話してましたね。検認って、どんなことするんですか?」
濱西「検認とは、遺言書の現状を確認して記録する手続きです。相続人の立会の上で行われます。」
ミカコ「ふんふん、なるほど( ..)φメモメモ。何のためにそんなことするんですか?」
濱西「検認することにより、後日の偽造、変造を防ぐことができます。」
ミカコ「あぁ、原本が残る公正証書遺言だと、偽造の心配がないから、検認がいらないんですね。」
濱西「おっ、珍しく冴えてるね。」
ミカコ「あたしも、たまには当てますよ ( v^-゚) ドヤッ!」
濱西「検認は、あくまで現状の調査・確認であって、内容が正しいかどうか確かめるものではありません。」
ミカコ「どういうことですか?」
濱西「検認が済んだからといって、無効な遺言が有効な遺言になるわけではないということです。例えば署名がなければ、最終的にその遺言書は無効になります。」
ミカコ「エェー、せっかく検認したのに。」
濱西「検認はあくまで、偽造を防ぐための証拠作りでしかないってこと。そして申し込んでから直ぐに検認作業が始まるわけではないので、ここも注意が必要です。」
ミカコ「大体どれくらいで、呼び出しがあるんですか?」
濱西「申し込みから一ヶ月後くらいかな。」
ミカコ「うーん。それだけ待って、結局無効だと泣きたくなってきますね。」
濱西「だからこそ、遺言を作ろうかと考えている方には、公正証書遺言をおすすめします。」