アシスタントのミカコ「高校野球を見てると、学生は休みなんだなぁと思って腹が立ちませんか?」
行政書士の濱西「立ちません。」
ミカコ「もう少し社会人の苦労を知ったらいいのにって思うんです。あたしはこんなに頑張ってるのに。」
濱西「心配しなくても、数年後には思い知ることになるんじゃない。」
ミカコ「そういえば、明日は今治西高校の試合でしたよね。勝てますかね?」
濱西「えぇー、ここでは言いにくいので、ノーコメントでお願いします。」
ミカコ「ふーん、先生はそんな風に考えてるんですね。愛媛県民の敵ですね。」
濱西「勝つとも負けるとも言ってないんですが。。。いい試合をしてほしいなと思ってるよ。」
ミカコ「まあ、そういうことにしておいてあげましょう。」
濱西「それじゃ、本題に入るよ。前回は相続権の譲渡についてだったよね。」
ミカコ「相続権は他人に譲渡できるんでしたよね。そして譲られた人は、遺産分割協議に入って行けるってとこまででだったような。」
濱西「全くの他人がいきなり入ってきたら、他の相続人はびっくりするでしょ。」
ミカコ「ですよね。一人入ってくることで、なんか揉めそうな気がするし。」
濱西「なので、民法では相続分の取り戻しを定めています。」
ミカコ「具体的には、どういうことなんですか?」
濱西「ある相続人が、その相続分を第三者に譲った場合、他の相続人は、その価格や費用を第三者に支払って、その相続分を取り戻すことができます。」
ミカコ「要は、相続権をお金で買うってことですか。」
濱西「簡単にいえば、そういうことかな。揉め事を防止し、遺産分割がスムーズに行われるための制度です。」
ミカコ「ふーん、なるほど。」
濱西「それと、譲渡があったと第三者から知らされてから一ヶ月以内に権利を使わないと、この取戻権はなくなりますので、注意してください。」
ミカコ「話もひと段落したし、高校野球の続き見よっかなぁ?」
濱西「前から思ってたんだけど、ミカコちゃんって、言うほど社会人の苦労知ないよね。」