行政書士の濱西「今日はまず代理権について話しましょう。」
アシスタントのミカコ「いきなりどうしちゃったんですか。いつもの無駄話は?」
濱西「今日はパス。」
ミカコ「ははーん、さてはネタ切れですね。」
濱西「、、、ノーコメントで。未成年の子がいる場合、親は子供に代わって契約できたりするのは知ってる?」
ミカコ「知ってます。昔マンガを売りに行ったら、親の同意書がいるって言われて、結局売れなかった苦い記憶があります(涙)」
濱西「民法には、未成年者が法定代理人(親)の同意を得ないでした契約は、取り消すことができる、とあります。」
ミカコ「え、じゃあ、お菓子買いに行って半分食べたけど、おいしくなかったので返品ってのもありなんですか?」
濱西「常識で考えてダメでしょ。それにこの場合、親から渡された小遣いの範囲内なので、取り消しできません。そういう決まりがあります。」
ミカコ「そうかぁ、やっぱりダメか。」
濱西「話がそれていってるけど、契約を結ぶ時(法律行為と言います)、親には子供に代わって同意したり、取り消したりする権利があるんです。」
ミカコ「それって、相続の話と何か関係あるんですか?」
濱西「うん、大あり。遺産分割協議は、法律行為の一種なのです。」
ミカコ「じゃあ、父・母・子ども一人の家族の場合、父親が亡くなると、母親が子供と自分の遺産分割の割合を決めれるってことですか?」
濱西「そこが問題でね、18歳くらいだと、それはおかしいって自分で気付くけど、5歳くらいだとそんなことわからないでしょ。」
ミカコ「あぁ、あたしも小さい時お年玉貰って、親が貯金しとくねって言って、その後の行方がわからなくなった悲しい思い出があります(涙)」
濱西「一気にスケールダウンしちゃったけど、今回の話もそんな感じかな。」
ミカコ「でも、もしかしたら、母親が自分より子供の方に多くあげようって思うかもしれないじゃないですか。」
濱西「それでもダメ。」
ミカコ「母親の子供を思う気持ちが、先生にはわからないんですか。」
濱西「子供が得しようが損しようが、母親が一人で決めることはできません。それを表す法律用語があるんだけど。」
ミカコ「聞きたくありません。じゃあ、誰が決めるんですか?裁判所とかですか??」
濱西「この場合は、子供のために特別代理人を選ぶよう、家庭裁判所に申し立てる必要があります。」
ミカコ「その人と母親が話し合うってこと?」
濱西「そういうことです。」
ミカコ「なるほど、母親一人で勝手に遺産分割は決められないってことですね。」
濱西「特別代理人は子供の数だけ必要になるので、そこは間違えないようにしてくださいね。」
ミカコ「最後にサラッと大事なことを言ってますね。みなさん、気をつけてくださいね。」