Q.子供のいない夫婦の場合、どうして遺言書を書いた方がいいんですか?
A.子供がいない夫婦の場合、もし自分に何かあったら、配偶者に全てを相続させたい。
そう考える人がほとんだと思います。
しかし被相続人の親が健在である、あるいは兄弟がいる場合、 法律には法定相続分というものがあり、 思い通りの相続とならない場合があります。
①被相続人の両親が健在の場合、相続財産は配偶者に3分の2、両親に3分の1の割合で分けられます。
②被相続人の両親は既に亡くなっており、兄弟が一人いる場合、相続財産は配偶者に4分の3、兄弟に4分の1の割合で分けられます。
しかし、「配偶者に全部相続させる」という遺言書があればどうなるか?
法律には遺留分が定められています。 これは、本来受けられる財産に対し、遺留分請求することである程度相続財産を受けることができる制度です。直系尊属には3分の1が認められており、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
ですから、 ①の場合、親一人の遺留分は、相続財産×2分の1×3分の1が相続分になります。
②の場合、遺言書通りに配偶者にすべて財産を相続できます。
遺言書を書いておくことにより、全部相続といかない場合もありますが、自分の希望に沿った相続をすることができるのです。